感温印刷

物質が外部からの刺激(熱・光・電気・溶媒の種類・圧力など)によって、色・蛍光などの光物性が可逆的(変化して再び元の状態に戻ること)に変化する現象を「クロミズム」といい、そうした機能を持つ物質・材料のことをクロミック物質やクロミック材料といいます。
その中でも、温度の作用で変色する現象を「サーモクロミズム」 (thermochromism) といい、感温変色物質(温度で変色する物質)を含んだ材料・インキを使った玩具・教材・ノベルティグッズ・温度測定グッズなど様々なところで利用されています。

感温印刷

感温印刷は示温印刷ともいい、特定の温度になると色調が変化(有色⇄無色や有色⇄有色)するメタモカラーインキ(PILOT INK)を使用した機能性印刷です。インキには「色を決定する成分」「発色させ濃度を決定する成分」「変色温度を決定する成分」の3つの成分をマイクロカプセルの中に入れて顔料化したものを混ぜたインキで、コールドタイプ (氷水で冷やしたり寒い戸外に出たりすると色が変化)、ウォームタイプ(体温や息の暖かさで色が変化)、ホットタイプ(熱い湯やドライヤーなどで暖めると色が変化)があり、多くのアイデア商品に利用されています。
温度変化により「有色⇄無色」・「有色⇄有色」の
ウォームタイプのサンプルです。

感温印刷の特徴

  • 温度変化によって文字や絵柄を出したり消したり、色を変えたり視覚効果を利用した演出をすることができます。
  • メタモカラーの変化は有色⇄無色、有色A⇄有色Bがあり、色・温度域も豊富にあります。
    ※カラー(橙、赤、桃、紫、青、緑、茶、黒など)・温度域(-30度〜+60度の範囲内)、詳しくはお問い合わせください。
  • 刷本を支給していただき弊社で感温印刷のみの印刷も可能です。
    ※入稿方法や刷本の形態につきましては事前に打ち合わせが必要です。進行される前に必ず弊社にご確認ください。

感温印刷の注意点

  • インキの吸収力の高い紙では、効果が低くなる場合があります。
  • 感温印刷印刷部分は、断裁線や折り線から2mm以上よけてください。
    ※裁ち落としや折加工は加工部分よりヒビや剥がれが生じる可能性があり、品質を維持できない可能性があります。
  • メッシュの粗い版を使うため、細かい文字や柄の表現には向きません。
温めると黒色から無色に変化するインキ(服)と黒色から赤色に変化するインキ(背景と隈取り)を使用したサンプルです。
温めると青色から無色に変化するインキと緑色から黄色に変化するインキを使用したサンプルです。
用途 ステッカー・シール、名刺・カード、ノベルティ・販促物(カードラベルPOP類)、文具・玩具、安全・防犯用品、生活用品 etc
感温データ
作成時の注意点
  • データ制作の前に、データ入稿の注意点をご確認ください。
  • 感温印刷は細かい文字や柄、尖った形は表現できません。
    つぶれてしまうか、印刷されない可能性があります。
  • 印刷部分は断裁線や折り線から2mm以上よけてください。
膜厚 10μm程度
対応材料 紙、布、プラスチック、ガラス、陶器など。
  • 詳しくはお問い合わせください。
印刷可能サイズ 四六全判(1091×788)までの材料に対応できます。
  • 材質によって異なります。詳しくはお問い合わせください。
注意点
  • 細かい文字や柄、尖った形は表現できません。
    つぶれてしまうか、印刷されない可能性があります。
  • 折り位置や断裁位置にかからないようご注意ください。
  • 仕上り後の摩擦に弱いため、加工に注意が必要です。
  • 耐光性に劣るため、直射日光下での使用は避けてご利用してください。
  • 保管環境によって、インキが劣化して効果が弱くなる場合があります。