少し暖かくなり、梅の花も咲き始めて、春を感じられるようになってきました。
ご無沙汰してます、アールアイです。さて私事ですが、休日に家で畑を耕したり草刈りをしたり、木の剪定(せんてい)をしていると、三カ月ぐらい前からどこからともなく”モズ(百舌)”がやってきます。毎回同じモズだと思いますが、結構近い場所にとまるので、最初は「なんでかなぁ」と思っていました。少し様子をうかがっていると、突然地面に降りてバッタのような虫をくわえて別の場所にとまって食べたんです。あっという間の動作でした。私からすれば、「そんなところに虫がいたんだ、すごい目をしてるなぁ」という感じでびっくりしました。
しばらくして「なるほど、そうゆうことか!」と心の中で叫んでました。
人間が土をいじったり草の上を歩くと、餌になる虫や幼虫、ミミズなどが出てきて動くことをモズは知っていて、それを狙って待っていたようです。特に冬場は虫が少ないからだと思いますが、その賢さと視力の良さ、動いているものを感知する能力と捕獲する動作には驚くばかりです。(モズの視力は人間の数倍あるみたいです。)
私が移動するとついてきたり、枝にとまっているときには尾を上下に動かしてかわいいところもありますが、さすがに野鳥なので一定の距離は保っています。私はただモズに利用されているだけです(笑)。話は変わりますが、印刷の現場でも”目”はとても大事です。
製品の検査や色の確認、機械の動作確認などすべての作業に”目”が関わってきます。特に印刷中の検査が重要で、できるだけ不良を少なく良い製品を仕上げるためには、作業の早い段階での確認が必要になります。全自動機で印刷中の場合、オペレーターは印刷後に材料がコンベアベルトに乗って乾燥機に入るまでの数秒の間にゴミの付着や色ムラや見当などを確認します。この時点で不良を発見することが全体の不良数をへらすことにつながりますので、オペレーターの動体視力と観察力はとても大事です。目が慣れてくるまではなかなか難しいですが、同じ製品を何回も繰り返し見ていると、何か違うところが出た時に段々気付くようになっていきます。
とはいえ、材料が流れていく数秒の間に一枚ずつすべて確認することは不可能なので、抜き取りでよく見ることと乾燥後にもうひとりのオペレーターが全数検査をしています。作業をしていく中で視力が良いことに越したことはありませんが、それよりも大事なことは観察力だと思っています。いくら物がよく見えても気が付かなければ不良品の山になりかねません。何か違うところに気が付けば、ゴミを取り除いたり見当を調整したり印刷機の調整をしたりして改善するための行動をとることができます。当たり前のことですが、できるだけ早く気が付けば不良を減らすことができますので、『観察力』をつけることはとても大事です。
そのためには普段からいろいろな印刷物を見たり印刷機の動きを観察したり、他のオペレーターの作業を観察したりして、いろいろなものを”よく見る”ことが大切で、観察力の向上につながると考えています。
加齢とともに落ちていく能力をできるだけ維持するために私もがんばらなくてはなりません(笑)。それにしてもモズの観察力はすごい!