蓄光について

 

牡牛です。

 

今回は、SATから少し離れて、弊社のスクリーン印刷にできる事ついて書かせていただきます。ということで、以前にもこのブログの中で紹介されていた、蓄光印刷について書かせてもらいます。

 

蓄光印刷のご注文というか、お問い合わせをいただくのですが、この中でよくあるお問い合わせが、ポスターに蓄光を印刷して欲しいという内容です。使用状況を伺うと、「屋外に貼っておいて、昼間は文字などがそのまま見えているが、夜になったら、蓄光の文字部分が光って、夜でも文字が読めるようにして表示したい。」という内容です。この場合、「夜間に多少ボーっと光るかもしれませんが、目立つような光り方ではありません。」とお答えします。

 

先ず、蓄光がなぜ光るかというと、光の中の紫外線を受けて光るようになります。それは、紫外線を受けると、蓄光顔料物質の原子中の電子が、軌道を1つ外に乗り換えます。この状態の時を、励起状態と言います。

 

励起状態は、物質がエネルギー(ポテンシャル)を持った状態を表す言葉です。

 

この場合、電子は、元の軌道に戻ろうとして、戻ります。すると、その際にエネルギーが消費されて、光となって、現れます。つまり、紫外線が当たらなくなると、元に戻る状況ばかりとなり、全ての電子が元の軌道に戻ってしまえば、顔料は光を放たなくなります。

 

従いまして、ポスターが日の光を受けて励起しても、急に暗くならず、徐々に日暮れて行くと、夜の暗闇になった時点では、僅かな発光しかしておらず、ポスターのような強いアピールを求めても、エネルギーが少くなっていて、目的を達成できないのです。

 

では、蓄光をどのような用途で使えるのかというと、上記の事から、紫外線を含む光を受けていて、急に暗くなるような場合に、何かの存在を示す目印としてのマークが最適と思われます。

 

昼光色のライトが点いた店内に、非常口を示すマークや矢印などを設置する時など、蓄光インキで表すと効果的です。照明機器のスイッチや、リモコンなどに施せば、一旦暗くして、再度点灯する際などに、存在位置がわかりやすくなります。

 

蓄光の発光時間は、グレードによって変わりますが、完全な暗闇であれば、一晩中でも視認性が確保できる物もあります。イベント的に使用するなどアピール性のある発光は、明かりを消してから約15分程度です。また、蓄光インキを印刷する基材や下地の色は、明度が明い色でないと、発光効果が出ません。

 

弊社の配布用カレンダーで、今年も蓄光を印刷する予定にしております。蓄光の発色は、グリーン、青、赤が有りますが、グリーンが一番良く光るので、カレンダーにもグリーンを使用します。

 

来年も、よろしくお願いします。

 

 

牡牛でした。

 

 


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