2019年6月のブログの『メッシュと開口率』でメッシュ数による開口率の違いから、インキの吐出量が違ってくるため、インキの乗る厚みが変わって来ますという話をしました。
今回は少し似ている話ですが、メッシュの糸径の太さによって柄の線が出たり出なかったりしますので、再現したい柄の線幅に対してメッシュの糸径の選択は大変重要です。
弊社が通常よく使用するメッシュ数は、テトロン250メッシュですが、規格線径は40µmで換算するとだいたい0.04m/mとなります。ということは、線幅が0.04m/mドンピシャからそれ以下の柄線は糸径よりも細いですから、当然糸径に隠れる部分が多くなって再現が難しくなります。
では、0.04m/m以上、0.05や0.06m/mあれば大丈夫かと言うとそうでもないです。実際弊社のテストで、0.106m/m(0.3pt)以上にならないとしっかりとした線としての再現は出来ません。
それは何故かというと、紗の中で紫外線が乱反射するからなんです。乳剤を塗った版に0.1m/m以下の線幅のフィルムを貼って露光をかけた時、フィルムの厚み→乳剤の膜厚→メッシュの糸径と紫外線が通過して抜けて行くのですが、その際に紗の糸と糸との中で微妙に乱反射が起こります。その微妙な乱反射で細い線は埋められてしまうのです。
それでも埋められずに線として認識できるのが0.106m/mからというわけです。また、同じテトロン250メッシュでも規格がTタイプとSタイプがあって、今お話しした線径40µmはTタイプですが、Sタイプはというと線径35µm (0.035mm) で0.05mm細いですから、0.106m/mよりも細い線が再現出来る事になります。
このように柄の最小線がどのくらいかを確認して、それが再現出来るメッシュと出来ないメッシュが有ますので線径を的確に選択して版を作成しなければなりません。
弊社は十分なテストを行っていますので、的確なメッシュを選択する事が可能です。
ブロンコでした。