大変ご無沙汰しておりました。久しぶりの書き込みをという事で、SATについて書かせていただきます。以前記載した事と重複するかもしれませんが、HPもリニューアルされて、新たな気持ちで書いてみます。
さて、SAT、サットと言っていますが、正式には、SAT SYSTEMとなります。では、なんでSAT SYSTEM なのでしょうか。テロや立て篭りに対してとか、大学進学適性の試験とかではなく、実は スクリーン印刷に関連しているので、この名称となりました。Screen Advanced Technology SYSTEMというのが、本来の意味を現す名称となります。スクリーン印刷の技術を発展させた体系で、そのまんまです。
この、SAT SYSTEM のパートナー企業は、リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社、株式会社ミノグループ、東レ株式会社、パナソニックデバイスSUNX株式会社、ウシオ電機株式会社、大和グランド株式会社が、新しいシステムとするために、その技術の構築に取り組んできました。では、その目的は何かというと、産業資材の生産、具体的には、高品位高細線な加飾フィルムの生産です。
でも、それって今迄に有ったんじゃないかと思われるかもしれません。確かにその様な物が有りましたが、その多くは本来のスクリーン印刷での多色刷によって製造されていました。それらは、生産者の努力で、目を見張るような製品が輩出されていましたが、流石に200線とかのアミ点表現など、細かいディテールの表現には、限界が有りました。
更に、スクリーン印刷は、1パス1色です。生産効率の点でも、生産者の労力は、並大抵のものではありませんでした。しかし、何故スクリーン印刷じゃなければいけないのか。それは、スクリーン印刷の持つ高濃度、隠蔽性、耐久性、成形性がその目的達成に適合していたからです。しかし、高細線の上品なディテールは、望めませんでした。また、多色刷では、印刷工程も多くなってしまいました。それに比べて、オフセット印刷は、高細線印刷が1パスできるから、それにスクリーン印刷並みの耐久性や後加工性が有ればいいな、鬼に金棒じゃんと思っていました。
そんな時、ある協力的で好奇心旺盛なオフセット印刷会社さんのおかげで、印刷テストをやってみるという機会が巡ってきました。弊社の好奇心旺盛な者が「だったら、スクリーン印刷用のインキを入れて刷れるかどうかやってみよ」と言って、トライすることになりました。
実際にやってみると、破綻はするけど、苦労して頑張れば高細線柄がなんとか出来そうというような状態でした。当然、生産性は全く無いのですが、なんとかいけそう「できるがや」という判断ができるものだったようです。(この時、私は立ち会っていなかったので、聞いた話です)。当然、スクリーン用のインキを使用していて(少しはオフセット印刷できるように、製造元のミノグループさんで調整はされていた)印刷適性は無かったのですが、なんとか柄になる瞬間は有る事が確認できたのです。(その後、スクリーン用インキを改良しても、オフセット印刷では使用でき無い事が分かり、SAT専用インキを最初から開発する事になったのですが..)
この無謀な実験が切っ掛けで耐光性が有り成形もできる、まるでスクリーン印刷のように高濃度で、更に高細線で細かいディテールが表現できる印刷物が、1パスで印刷機のユニット数分の色数が重ねられる印刷方式として産声を上げたのです。
当初は水有りが普通と思っていましたので、そのまま水有りを受け入れてやっていました。また、水のおかげで、なんとか印刷ができていたみたいです。こうやって、SATに突き進んでいく事となるのです。
今回のブログUPはここ迄とさせていただきます。
SAT開発は、これからが長い道のりで、次回に続きをUPさせていただきます。
牡牛でした。